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Netflix『地獄に堕ちるわよ』感想|戸田恵梨香の怪演と細木数子の“光と影”

地獄に堕ちるわよのレビュー記事アイキャッチ

雨の日って、なぜか重たい作品が観たくなる。
そんな気分で開いたNetflixの新作、
地獄に堕ちるわよ

軽い気持ちで観始めたはずなのに——
気づけば、完全に引き込まれた。

その中心にいたのが、
戸田恵梨香演じる細木数子。

怖いのに、目が離せない。
嫌なのに、なぜか惹かれる。

今回は、この作品と“数子という存在”について、正直に書いてみる。

目次

■『地獄に堕ちるわよ』はどんなドラマか

この作品は、「大殺界」や「地獄に堕ちるわよ!」という強烈な言葉で一世を風靡した占い師、
細木数子の半生を描いたドラマだ。

戦後の貧困からスタートし、夜の街でのし上がり、銀座の女王と呼ばれる存在へ。
その後、占い師としてテレビや出版界を席巻し、カリスマ的な存在となっていく。

一方で、霊感商法や裏社会との関わりなど、黒い噂もささやかれてきた人物。

このドラマは、そんな“光と影”を含めた人生を描いている。

■戸田恵梨香が“別人”になった理由

正直に言うと、最初は
「戸田恵梨香で細木数子?」
という違和感があった。

私の中での細木数子さんのイメージは、
テレビで見ていた“小太りのおばあさん”という印象が強かったからだ。

だからこそ最初は「え?」と感じたのだが——
その違和感は、ほんの一瞬だった。

気づいたら、戸田恵梨香ではなく、
“細木数子そのもの”を見ている感覚に変わっていた。

特殊メイクに3時間半。
年代ごとに変わる表情、しぐさ、視線。

ただ似せているのではなく、
“その人がそこにいる”と感じさせる演技だった。

SNSで「怪演」と言われているのも納得。

■数子が怖いのに惹かれる理由

この作品でいちばん印象に残ったのは、
数子という人物の“矛盾”だ。

強い。
怖い。
支配的。

でもその奥に、
弱さや孤独が見え隠れする。

ただの成功者ではなく、
ただの悪女でもない。

弱さを隠すために強くなった人間の、歪んだ美しさがある。

だからこそ、目が離せなくなるのだと思う。

強さだけでも、弱さだけでもない。
その両方を抱えているところに、人としてのリアルさを感じた。

■「地獄に堕ちるわよ」は誰に向けられた言葉なのか

「地獄に堕ちるわよ」という強烈な言葉は、
占われる相手に向けられたものだと思っていた。

でもこの作品を観ていて、
むしろそれは——数子自身に向けられた言葉だったのではないか、と感じた。

早朝、ひっそりと亡き母のお墓参りをする姿。
あの時間だけが、本当の自分に戻れる瞬間だったのかもしれない。

そのたびに、自分の生き方をどこかで自覚していたのではないか。
そんなふうに思えてならなかった。

もしかしたら“地獄”というのは、
死後の世界ではなく、今まさに生きているこの虚飾の世界そのもの。

強くあろうとすればするほど、
本当の自分から遠ざかっていく。

その中で数子は、
ずっと助けを求めながら、孤独の海でもがいていたのではないか——

そんな印象を受けた。

■数子は幸せだったのか

果たして彼女は、幸せだったのだろうか。

もちろん、それは本人にしかわからないことだ。

ただひとつ言えるのは、
彼女には“お金を生み出す才能”が、あまりにも強くあったということ。

それは武器であり、同時に、
生き方を決定づけてしまう力でもあったのかもしれない。

その才能ゆえに、
選ばなくてもよかった道を選んでしまったとも言える。

でも——
どれだけお金があったとしても、
埋まらない感情はあったのではないか。

■まとめ|光が強い人ほど、影も濃くなる

『地獄に堕ちるわよ』は、占い師の物語というよりも——

人がどうやって強くなり、
どうやって“怪物”になっていくのかを描いた物語だと感じた。

戸田恵梨香さんの演技は、
ただ似せるというレベルを超えて、ひとりの人間の人生を立ち上げている。

そして観終わったあと、こう思った。

光が強い人ほど、影も濃くなる。

この作品は、その“影”を見せてくるドラマだった。

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