はじめに
ガラスフュージングを始めるとき、一番高額な道具が「電気炉」です。
作品のサイズや焼成の安定性に直結するため、どの電気炉を選ぶかで制作の幅が変わります。
この記事では、選び方のポイントを初心者にもわかりやすくまとめました。

まずチェックしたい5つのポイント
- 電源の容量
- 加熱性能
- 大きさ(棚板サイズ)
- 置き場所(設置環境)
- 焼成プログラムの有無
1. 電源の容量
家庭用で使いやすいのは 100V・15Aまで。
これを超える場合(出力の大きい機種や200V機)は 専用回路の増設など電気工事が必要 です。
事前にブレーカー容量とコンセントの位置を確認しましょう。
ポイント
延長コード・たこ足配線はNG。電気炉は専用コンセントから直接給電が基本です。
2. 加熱性能(最高温度・立ち上がり・温度ムラ)
ガラスを熔かす目安は 700〜1000℃。
加熱の立ち上がりが安定し、温度ムラが少ない機種 を選ぶと、仕上がりが安定します。
ヒーター配置や温度センサーの精度、断熱材の質もチェック要素です。
- 最高温度の余裕(1000℃到達+αが理想)
- 急熱・急冷に耐えやすい設計
- 均一加熱(コーナーや天井付近のムラが少ない)
3. 大きさ(本体と棚板サイズ)
作品の最大サイズは 本体ではなく「棚板サイズ」 で決まります。
例)棚板25.5cm角 → 25cm以内の作品が上限 というイメージ。

失敗談メモ
本体外寸30cm=大皿OKと勘違いしがち。購入前に棚板サイズを必ず確認!
作品サイズの目安
- アクセサリー・小物中心:20cm角以下の棚板で十分
- 皿・プレートも:25〜30cm角の棚板
- 大皿・パネル作品:30cm角以上や長辺のある棚板
4. 置き場所(設置環境)
高温機器のため、安全なレイアウトが必須です。
- コンセントが近い(延長不可)
- 換気ができる(カーテン等の可燃物に注意)
- 掃除しやすい床材(耐熱・耐汚れを意識)
- 壁から15〜20cm以上離す(できれば耐火ボードで保護)
ひと工夫
耐熱ゴム足や防振マットで微振動を抑え、粉塵掃除をラクに。
5. 焼成プログラム機能
温度上昇・保温・冷却を自動制御できる 「プログラム機能」 があると、初心者でも安定した焼成に近づけます。
パネル数(保存できるレシピ数)や、Ramp(上昇速度)/Soak(保持) を段階で組めるかも確認しましょう。
- 例:
- Ramp 200℃/h → Soak 30min → Ramp 400℃/h → Soak 10min → Anneal(徐冷)…など
手軽に始めたい人向け:電子レンジタイプ
アクセサリーなど小物中心なら、電子レンジで使えるミニ窯(例:アートボックス5えもん 等)も選択肢。
- メリット:導入費が安い・省スペース・短時間で体験
- デメリット:作品サイズは小さめ・焼成の自由度は限定的
電気炉がなくても:焼成代行サービス
「まずは試作したい」「購入前に仕上がりを確かめたい」場合、教室の焼成代行 が便利です。
- 料金/受け渡し方法/温度指定の可否は教室ごとに異なります
- 初回は小さめの作品でテストし、記録を残すと次回がスムーズ
相談先の例
- 近隣のガラスフュージング教室・講師
- (参考)キルンアート協会:全国のガラスフュージングサロン
実際に使っている人の意見は、カタログ以上に具体的で参考になります。
まとめ(チェックリスト)
- 電源は100V・15A以内?(工事の要否)
- 最高温度・立ち上がり・温度ムラはOK?
- 棚板サイズ は作品サイズに足りる?
- 設置環境(換気・離隔・掃除しやすさ)は整う?
- 焼成プログラムは段階設定・保存ができる?
- 導入前の選択肢として、ミニ窯/焼成代行も検討した?
よくある質問(FAQ)
Q. 家庭用100Vでも大皿は作れますか?
A. 棚板サイズと炉の出力次第です。
100Vでも25〜30cm角の棚板が入る機種はありますが、立ち上がり時間 と 温度の安定 に影響します。
制作頻度とサイズのバランスで検討しましょう。
Q. プログラムなしの簡易窯でも始められますか?
A. 可能ですが、再現性の面で難易度が上がります。
初心者は基本レシピを保存できる機種が安心です。
Q. 設置で最低限そろえるべきものは?
A. 耐火ボード、温度計(必要なら補助)、防塵用マスク、耐熱手袋、掃除用具(粉塵対策)など。
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