新聞の片隅に、
見覚えのある名前を見つけた。
珍しい名前だったから、ずっと気になっていた。
もしかしたら、と思って。
そして、その予感は当たってしまった。
「おくやみ」欄に載っていた住所は、
○○さんが、帰りたいと話していたあの家のものだった。
それは、施設の住所ではない。
出会ってから、約一か月。
私は、少しでも役に立てていたのだろうか。
日ごとに衰弱していくあなたに、
ほんのわずかでも、幸せを届けられていただろうか。
聞きたいことは、山ほどある。
けれど、お別れはあまりにもあっけない。
今はただ、
静かに、あなたの冥福を祈ります。
ときどき思う。
私は、何のために生きているのだろう。
それとも、
何のために、生かされているのだろう。
答えを探しながら、
迷いながら、
震えながら、
命には限りがあることを知っていく。
それでも、
もう誰も、いなくならないでほしいと願ってしまう。
