――小さな宝物を探す一日――
このイベントも、宝積寺駅東口にある創業支援施設「クリエイターズデパートメント」に入居していた2年間の中で、主催者として経験した取り組みのひとつです。
限られた環境と条件の中で、どんな場づくりができるのか。
その試みとして、2025年11月2日に開催したのが「LITTLE TREASURES MARKET(リトル・トレジャーズ・マーケット)」でした。
本来は11月9日に開催予定でしたが、諸事情により日程を変更し、11月2日の開催となりました。
結果的に、この季節、この空気感の中で行えたことに、今は意味を感じています。
会場と規模を見直すという判断
前回のイベントでは、駅前の「ちょっ蔵広場」とクリエイターズデパートメントの両方を使用しましたが、今回は芝生広場のみを会場としました。
同日に別のイベントで多くの飲食店が出店される予定だったため、こちらでは飲食は3店舗に厳選。物販・体験を中心に11店舗、計14店舗の規模での開催としました。
規模を小さくすることは、後退ではなく再設計でした。
この場所だからこそできることに、意識を向けることにしたのです。
2週続けてイベントを開催することについても検討しましたが、
11月2日に駅前広場で別のイベントが行われることを踏まえ、
それに呼応するかたちで、こちらでは「小さなイベントをどうつくるか」を考えることにしました。
大きさを競うのではなく、
場所と状況に合ったかたちを選ぶ。
LITTLE TREASURES MARKETは、そんな発想の転換から生まれました。
「宝探し」という記憶から生まれた企画
イベントを考える中で、ふとよみがえったのは、子どもの頃の「宝探し」の記憶でした。
どこにあるかわからない宝物。
見つけた瞬間の高揚感。
いつもの場所が、急に特別な場所になる感覚。
そこから発想を広げ、芝生広場そのものを「小さな冒険島」に見立て、子どもたちが宝を探す企画を軸に据えることにしました。
参加型イベントとしての仕組み
宝物の中には、本物だけでなくダミーも混ぜました。
すべての宝を見つけると、そこに隠されていた言葉をつなげることができます。
その言葉が合言葉として正解だった場合、コインを1枚受け取り、そのコインで最後にくじを引く、という流れです。
ただ探して終わりではなく、
考えて、つなげて、ゴールにたどり着く。
芝生広場の中に、小さな物語を用意しました。
予算という制約を、遊びに変える
いつもであれば、出店料の一部を使って景品などを用意できますが、今回は規模を絞ったため、十分な予算を確保することができませんでした。
そこで、参加費をいただく形に切り替え、運営費に充てる方策を選びました。
参加費はひとり1回100円。
全員に参加賞を用意し、さらに「大当たり」と「小当たり」を設けることで、宝探しにゲーム性を持たせました。
制約があったからこそ、内容を研ぎ澄ませることができたように思います。
みんなでつくった海賊島
宝の配置や安全面、年齢差への配慮など、考える課題は多くありました。
そんな中、センターの皆さんがさまざまなアイデアを出してくださり、準備や演出にも協力してくださいました。
そのおかげで、芝生広場は想像以上に魅力的な「海賊島」へと姿を変えていきました。
今回は、出店者の皆さまに海賊風のバンダナをお渡しし、会場全体も海賊をテーマにデコレイトしました。
飾り付けの時間そのものが、とても楽しいプロセスでした。

音と色が重なるスペシャルイベント
会場では、スペシャルイベントとして生演奏をお願いしました。
また、前回のイベントに引き続き、ライブペイントも実施しました。
音が流れ、色が生まれていく中で、
宝探しをする子どもたち、見守る大人たち、出店者が同じ空間を共有する。
会場全体が、ゆるやかな一体感に包まれていきました。

大人も子どもも楽しめる時間
イベント後、保護者の方から
「大人と子どもが一緒に楽しめるイベントはうれしい」
という言葉をいただきました。
子ども向けの企画でありながら、
大人も本気で探し、考え、笑う。
その姿が、このイベントの何よりの成果だったように思います。

クリエイターズデパートメントで得た学び
LITTLE TREASURES MARKETは、
規模を縮小したからこそ見えたこと、
制約があったからこそ生まれた工夫に満ちた一日でした。
クリエイターズデパートメントでの2年間は、
作品をつくるだけでなく、場をつくり、人と関係を育てる時間でもありました。
この経験は、これからの活動や、
次に生まれる場づくりへと、静かにつながっていきます。
▶ 春に開催した「サンキューフェスタ」については、同じくクリエイターズデパートメントでの取り組みとして、こちらの記事で紹介しています。

