型板ガラスは、昭和の家で障子や室内ドアによく使われていた「模様のあるガラス」。
いまは新築ではほとんど使われなくなりましたが、取り壊される古民家には今も美しい模様のガラスが残っています。
私はガラス作家として、そんな古い家から型板ガラスをレスキューし、
ステンドグラス作品や思い出の記念パネルとして“新しい命”を吹き込む活動をしています。
この記事では、型板ガラスの魅力と種類、そして再生のストーリーをご紹介します。

型板ガラスとは?
型板ガラスとは、ガラスに模様をプレスして凹凸をつけた「模様ガラス」の種類です。
昭和の住宅で 障子ガラス として使われ、光を柔らかく広げながら、視線を適度に遮る役割を果たしてきました。
古民家のガラスを“レスキュー”する理由
古い家が取り壊されるとき、ガラスも木枠と一緒に廃棄されることが多いです。
でもそのガラスには、
・冬の光
・夏の風
・家族の声
・季節の影
そんな“その家の記憶”が宿っています。
私は作品づくりの中で、それが光に透ける瞬間を見るたび、胸の奥が不思議と温かくなります。
だからこそ、古民家のガラスを救い、新しい形へと生まれ変わらせています。
【保存版】型板ガラス10種類一覧
▼梨地(なしじ)
梨の皮のような細かい凹凸。昭和住宅で最も多い定番柄。
光をやわらかく散らして視線をふんわり遮る。
使われた場所: 室内ドア/玄関/欄間
印象: 落ち着き・ナチュラル

▼ 霞(かすみ)
霧がかったような淡い凹凸で、光がふんわり広がる。
使われた場所: 障子ガラス/玄関まわり
印象: 静けさ・上品さ

▼ モールガラス(縦縞・横縞)
ストライプ状の凹凸。光が縦や横に流れて見える。
使われた場所: 棚扉/室内建具
印象: レトロ・カフェ風

▼ 小紋柄(こもんがら)
花柄・麻の葉・格子など、小さな模様が敷き詰められたレトロ柄。
使われた場所: 室内ドア/間仕切り
印象: かわいい昭和感

▼ 氷砂糖(こおりざとう)
ランダムな細かな凹凸。外はほぼ見えないが光はよく散る。
使われた場所: トイレ窓/浴室
印象: ひんやり透明感・清潔感
この型板ガラスは「氷砂糖」タイプ。
ランダムで深い凹凸が光を細かく散らし、背景がかすかに揺れて見えるのが特徴です。
昭和中期〜後期の住宅でときどき使われていたもので、現在は生産されていないレア柄。

▼ すりガラス(曇りガラス)
均一にすり加工が施されたタイプ。
使われた場所: 室内ドア/欄間
印象: 静か・淡い光
▼ 波模様(ウェーブ)
大きめの揺れる波のようなうねり。水のような動きを感じる光。
使われた場所: 玄関/間仕切り
印象: 動き・表情

▼ フローラガラス(花柄)
花が浮かび上がる装飾模様。古民家には珍しいが人気が高い。
使われた場所: 飾り窓/アクセント建具
印象: 可憐・女性的

▼ モザイク柄
四角形やランダムなパターンが並ぶ型板。光を多方向に散らして明るい。
使われた場所: 玄関/勝手口
印象: 幾何学的・アート

▼ レトロ格子
格子状の凹凸が連続する模様。昭和の学校や公共施設にも多い。
使われた場所: 室内ドア/窓
印象: 懐かしい公共建築感

思い出をパネルにして残すこともできます
古民家の取り壊し前に「ガラスだけでも残したい」という相談は増えています。
私は、レスキューしたガラスをさりげなく使用して小さな“記念パネル”や「写真たて」を制作しています。
大切な人との時間を、光の中でそっと残すお手伝いができれば嬉しいです。

よくある質問(FAQ)
Q. 型板ガラスのリメイク費用は?
サイズ・加工内容によりますが、ご予算とご相談のうえ制作できます。
Q. 古民家のガラスは取り外しできますか?
建具の状態によりますが、多くの場合は安全に外せます。
Q. どんな型板が作品に向いていますか?
梨地・霞・小紋柄・モールなどほとんどの柄が再生可能です。

