このサンキューフェスタは、宝積寺駅東口にある創業支援施設「クリエイターズデパートメント」に入居していた2年間の中で、主催者として経験した取り組みのひとつです。
限られた期間と環境の中で、どんな場をつくり、どんな関係性が生まれるのか。
その実験の一幕として、この日のことを記録しておきたいと思います。
――日々の暮らしに、ありがとうを込めて――
2025年3月9日、「サンキューフェスタ」を開催しました。
3(サン)9(キュー)という語呂合わせから生まれた名前ですが、3月は卒業や進学、転居など、人生の節目が重なる季節でもあります。
このイベントは、日ごろなかなか口にできない「ありがとう」の気持ちを、暮らしの中でそっと形にする一日として企画しました。
大切な人への贈り物を選ぶために。
そして、がんばってきた自分自身への、ささやかなごほうびのために。
そんな想いが集まる場所をつくれたら、というのがサンキューフェスタの出発点でした。
「ありがとうの日」を形にする仕掛け
サンキューフェスタでは、3月9日を「ありがとうの日」というキャッチフレーズでお知らせしました。
チラシの裏には、さくらの形をしたメッセージカードを用意。
来場者がそこに「ありがとう」の言葉を書いて持ってくると、くじを一回引くことができます。
引いたくじは、その場で特製ボードに貼り付けてもらいました。
一枚、また一枚と貼られていくくじは、やがて花びらとなり、会場の中で桜が満開になっていく仕組みです。
誰かの感謝の気持ちが、少しずつ風景を変えていく。
そんな光景を、来場者みんなで共有できたらと思っていました。

24店の出店と、3つのスペシャルパフォーマンス
当日は、全部で24店が出店しました。
ものづくり、食、癒し。
それぞれの場所で、それぞれの「ありがとう」が行き交っていました。
さらに、会場を彩る特別な試みとして、
・DJブース
・ライブペイント
・町図書館での有料リサイクルブックマーケット
この3つをスペシャルパフォーマンスとして実施しました。
音が流れ、色が重なり、本と言葉が循環する。
会場全体が、ひとつの大きな表現の場になっていく感覚がありました。

雪の朝と、小春日和の一日
当日の朝、外に出ると地面にはうっすらと雪が積もっていました。
まずは雪かきからスタート。
「どうか晴れますように」と空を見上げながら、天気の回復を祈りました。
その願いが届いたのか、時間が経つにつれて雲は切れ、
午後には小春日和のような、とても穏やかな一日になりました。
寒さを越えて迎えた晴れ間の中で、
笑顔で過ごせた時間は、いつも以上にありがたく感じられました。
ガラスのくじに込めた想い
くじの景品のひとつとして、型板ガラスで作ったミニプレートを用意しました。
光を受けると、模様がふわりと浮かび上がる小さなガラスです。
イベントが終わったあとも、
ふとした瞬間にこの日のことを思い出してもらえたら。
「ありがとう」という気持ちが、
日々の暮らしの中で、静かに息づいてくれたら。
そんな願いを込めて制作しました。

日常へと続く「ありがとう」
サンキューフェスタは、特別な誰かのためだけのイベントではありません。
立派な言葉でなくても、
大きな贈り物でなくてもいい。
日々の暮らしの中に、そっと「ありがとう」を置いていく。
この一日が、
そんな気持ちを思い出すきっかけとして、
それぞれの日常へと静かにつながっていれば嬉しいです。
クリエイターズデパートメントで得たもの
クリエイターズデパートメントでの2年間は、作品をつくるだけでなく、場をつくり、人と交わる経験の連続でした。
サンキューフェスタは、その中でも「感情をどう共有するか」という問いに向き合った一日だったように思います。
この経験は、これからの活動や、次に生まれる場づくりへと、静かにつながっていきます。

