【映画レビュー】ドリーム(原題 Hidden Figures)

なにげなく録画していた映画ですがとても感動しました。
原題の意味は「隠された人物」。
この意味するところがとても丁寧に作りこまれた作品です。
実話をもとに作られていますが、調べると事実とは異なるところも多いそうです。

目次

映画「ドリーム」のあらすじ

時代は1960年代。

アメリカとソ連の冷戦中に、「宇宙開発競争」という非公式の戦いがあった。

1958年に発足したNASAはそれまで空軍、陸軍、海軍のそれぞれの研究機関を統合する形で発足し、アメリカ初の有人宇宙飛行「マーキュリー計画」を成功させるべく、優秀な人材が集められていた。

1961年バージニア州。

数学に天才的なキャサリン、エンジニアを目指すメアリー、計算部の総括から昇進を目指すドロシーという3人の女性はNASA内にはびこる人種差別(また女性蔑視もあったように思う)に屈することなく自らの能力と努力でそれぞれの夢を勝ち取っていく。

事実上は上司よりも仕事をこなしているにも関わらず、何らかの理由で昇進できないドロシー。

社内に導入された最新型コンピューターに自分たちの仕事(計算手)が奪われ、解雇されることを察知し、いち早くプログラミング言語(FORTRAN)を習得し、それを黒人計算手の仲間に教えた。

彼女はコンピューター技術者として抜擢されるが、仲間と一緒でないと承諾しないとし、会社側もこれを受けざるを得ない状況となり、さらには白人たちに教える側にまわる。

メアリーは実験用の耐熱カプセルの壁に欠陥があることはわかっていた。

しかし、白人専用の高校に通わないと取得できない要件からエンジニアへの夢は諦めていた。

ユダヤ人の上司に勧められ、彼女も一念発起。

白人専用の高校に通えるよう訴えを起こす。

黒人初の女性スタッフとしてSTGに抜擢されたキャサリン。

上司からは機密事項だと肝心な部分は黒塗りの資料を渡され、検算を頼まれる。

しかし彼女はそんな黒塗りの資料からも正確な回答を導き出し、上司に認められる。

のちに重要な会議にも出席し、その場で計算することとなったときにも、彼女はすらすらと黒板に数式を導き出した。

1962年ついにマーキュリーが打ち上げられる。

IBMの最新型コンピューターの計算結果に不安を感じた宇宙飛行士ジョン・グレンはキャサリンに検算を要請する。

キャサリンの計算結果は正確で、見事打ち上げに成功し、落下地点も計算通りだった。

映画「ドリーム」の感想

この映画の面白さは、華やかな宇宙開発の舞台裏に光を当てたところだ。

また特に黒人女性に焦点を当てており、現在もなお、職場で出鼻を挫かれているような女性には夢と希望の詰まったストーリーだと思う。

実際、その頃のNASAではすでに撤廃されていたようだが、トイレが非白人用と分けられていたり、いたるところで黒人差別があり、思うように仕事だけに集中できない様が理不尽すぎて泣けた。

最先端の開発チームでこれなんだから、社会全体では(今なお若干残っているが、)もっともっと不遇な境遇を強いられてきたに違いない。

でも、数字は嘘をつかない、とキャサリンは最後まであきらめずに自らに課された使命を全うすることで、成果を出す。

それこそ最新型コンピューターにも勝ったのだ。

格好良すぎる!!

痛快。

自分のことは棚にあげて、周りがこうだからできない、とか『できない理由』を見つけて「やらない」のが得意な人が多い。

でも、できないことをどうやったらできるようになるのか?にフォーカスすると、やはりまずは「やる」が先決だ。

言葉にするのは簡単だけど、実行するのはなかなか難しいけどね。

でも少なくても我々日本人も、有色人種ではあるが、入れないトイレがあるとか、入れないお店があるとかの理不尽にはなかなか遭遇しないんだから、その点は幸せ。

当たり前に思う幸せも、日常ではなかなか気づけない。

キャサリンが上司に席を離れている理由を話したシーンは涙、涙。

ケビン・コスナー演じるハリソン上司は、これまた格好良すぎるので必見だ。

凡人なりに出来るところから、丁寧にやっていかなくちゃね、勇気をもらえる良い映画だった。

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映画「ドリーム」の作品情報

原作:ドリーム NASAを支えた名もなき計算手たち
作者:マーゴット・リー・シェッタリー

2016年製作 127分 アメリカ
監督:セオドア・メルフィ
出演:タラジ・P・ヘンソン/ オクタビア・スペンサー/ジャネール・モネイ/ケビン・コスナー

人口衛星

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